| 医療福祉分野における工学技術の果たす役割はますます増大しつつある。中でも、生活の質(QOL)の高い生活が過ごせることを支援する情報システムの実現が重要な課題となっている。このような医療福祉情報システムを構築するには、医師やコメディカルのタスク、クライアントの情報を分析して人間を含むシステム設計を行う必要があるが、その設計のコンセプトや手法は端緒についたばかりである。これまで特定の事例を対象としたシステム設計の例はあるが、大局的なタスクと情報の分析をもとにした医療福祉のモデリングが行われておらず、他の事例への拡張は困難である。 本講演では、医療福祉をサイバネティクスの視点から、医師やコメディカルはクライアント情報から身体も含めて生活状態を同定してQOLを目標値とした操作を行っていることに着目し、人間を含む医療診断や健康生活を支援する情報システムの設計方法について論じたい。 |